ラオスはその美しい自然景観や魅力的な文化で知られる国ですが、旅行者が訪れる際には、安全対策をしっかりと講じることが大切です。
この記事では、ラオスでの安全な旅行を楽しむためのヒントや注意点について詳しくご紹介いたします。安心して旅行を楽しむための知識を得て、素敵なラオス旅行を計画しましょう。
Table of Contents
1. ラオスの治安状況:旅行前に知っておきたいこと
1.1 現地の治安情報を確認する
ラオスを訪れる際には、現地の治安情報を確認することが重要です。外務省や現地の観光局のウェブサイトで最新の情報を入手し、滞在中に注意すべきエリアや事項を把握しましょう。
ラオスは大規模なテロや暴動などは発生していませんが、軽犯罪や交通事故に注意が必要です。
大都市や観光地では基本的には安全ですが、深夜の外出や人通りの少ない場所での散策は避けたほうが良いでしょう。ひったくりや置き引きなどのスリ犯罪が多発しています。貴重品やパスポートなどは身につけておき、歩行中に携帯電話やタブレット等の電子機器を操作しないようにしましょう。
拳銃やナイフを用いた強盗事件も増加傾向にあります。暗い場所や人気のない場所でのタクシーやトゥクトゥクの利用は控えましょう。ラオスでは薬物犯罪が厳重に取り締まられており、過去に外国人も死刑判決を受けています。薬物に手を染めることは絶対に避けましょう。
1.2 旅行前の下調べが重要
現地の文化や習慣についての基本的な知識を得ることは、安全な旅行の基盤を築く手助けになります。地元の人々と尊重と理解の態度で接することで、トラブルを避けることができます。
ラオスに滞在中は、現地メディアやSNSなどを通じて最新の治安情報を入手しましょう。特に、反政府勢力の活動や未爆弾(UXO)の危険性が高い地域では、地元住民やガイドの助言に従い、慎重に行動しましょう。
ラオスに渡航する際は、日本政府外務省の「たびレジ」に登録することをおすすめします。これは、日本政府が海外在留邦人に対して緊急時の連絡や支援を行うためのシステムです。登録は無料で、インターネットから簡単にできます。
ラオスでは、日本国大使館や領事館がありません。
緊急時には、
在ラオス日本国大使館(電話:+856‐(0)21‐414‐400~403)
在タイ日本国大使館(電話:+66‐(0)2‐207‐8500)に連絡しましょう。
2. 観光地や街の安全性:どのエリアが安全?
2.1 人気観光地の安全性
ラオスには美しい観光地が点在していますが、それぞれの地域の治安状況には差があります。人気のある観光地は一般的に安全ですが、訪れる際には最新の情報を確認して安全な地域を選びましょう。
ビエンチャンはラオスの中でも比較的治安が悪いとされる都市です。置き引き、ひったくり、スリ、侵入盗などの一般犯罪が増加傾向にあり、日本人が被害に遭う事案も多く報告されています。また、麻薬関連の事件も発生しており、トゥクトゥクの運転手やゲストハウスのスタッフから薬物を売りつけられることもあります1。
ビエンチャンで安全に滞在するためには、以下のような注意点があります。
徒歩や自転車で移動するときは、荷物をしっかりと身につけ、ひったくりに注意してください。特に夜間は暗い場所や人通りの少ない場所を避けてください。
公共交通機関は極力利用しないでください。トゥクトゥクやタクシーは信頼できる旅行会社やホテルなどを通じて手配するか、事前に料金を確認してください。
麻薬や葉っぱ(大麻)などの薬物を売りつけられたり誘われたりした場合は、断固として拒否してください。ラオスでは麻薬所持や使用に対して厳しい罰則があります。
ビエンチャン周辺の山間部や国境地帯には不発弾や反政府勢力の活動などの危険があります。不要不急の渡航は控えてください。
現地の治安情報に注意を払い、日本大使館や外務省の海外安全ホームページなどを定期的に確認してください。
2.2ラオスで治安の悪いとされる都市
街ごとに治安の状況は異なることがあります。観光地だけでなく、現地の市街地や地域についても事前に調査し、リサーチしておくことが大切です。
ラオスでは、反政府勢力の活動や不発弾の危険性、一般犯罪の増加などが問題となっています。
ラオスで特に治安が悪いとされる都市は以下の通りです。
ラオスでは、反政府勢力の活動や不発弾の危険性、一般犯罪の増加などが問題となっています。
ラオスで特に治安が悪いとされる都市は以下の通りです。
サイソンブン県:ラオスの中央部に位置する県で、反政府勢力が活動しており、襲撃事件や爆発事件が頻発しています。外国人職員が銃殺された事件や道路に地雷が仕掛けられた事件なども起きており、日本外務省は不要不急の渡航を止めるよう呼びかけています。
ルアンパバーン:ラオス北部にある古都で、世界遺産に登録されています。美しい寺院や自然が魅力的な観光地ですが、ここでもスリやひったくり、置き引きなどの犯罪が起きています。また、道路事情が悪く、夜行バスが落下した事故も起きています。
3. 健康と医療対策:旅行中の健康管理
3.1 予防接種と健康確認
ラオスを訪れる際には、予防接種の情報を確認しておきましょう。一般的な感染症や病気に対する予防接種を受けることで、安全な旅行を実現できます。また、現地の医療機関の情報を調査しておき、万が一の緊急時に備えましょう。
ラオスへ渡航する前には、以下のような予防接種や健康確認を行うことが推奨されます。
予防接種:A型肝炎、B型肝炎、破傷風などの基本的な予防接種を受けておきましょう。
また、犬や野生動物との接触が予想される場合は狂犬病ワクチン、農村部に長期滞在する場合は日本脳炎ワクチンの接種も検討しましょう。黄熱流行国から入国する際は、黄熱の国際予防接種証明書が必要です。
健康確認:渡航前にかかりつけ医や旅行医学専門医に相談して、自分の健康状態や持病などを確認しましょう。また、必要な場合は抗マラリア薬や常備薬などを処方してもらいましょう。
旅行保険:ラオスの医療水準は低く、高度な治療が必要な場合はタイや日本への移送が必要になることがあります。そのため、海外旅行傷害保険に加入することが強く勧められます。
3.2 現地の医療施設(ヴィエンチャン)
ラオスでは一般的な医療施設がありますが、設備や医療水準には地域差があるかもしれません。旅行中に体調が優れない場合や怪我をした場合に備えて、最寄りの医療機関の情報を事前に収集しておくことをおすすめします。
ヴィエンチャンはラオスの首都であり、最大の都市です。観光やビジネスの中心地でもありますが、医療水準は近隣諸国と比べて低く、高度な治療が必要な場合はタイなどに移送する必要があります。ヴィエンチャンには外国人が受診可能なクリニックや病院が数カ所ありますが、英語での対応ができる医師や看護師は限られています。
ヴィエンチャンで外国人が受診することができる主な医療施設は以下の通りです。
カセムラート・インターナショナル病院ビエンチャン(KIHV):2021年8月にオープンしたばかりの民間総合病院です。タイ国内にカセムラート病院など複数の病院を運営するバンコク・チェーンホスピタルがラオスの国内資本との合弁で設立しました。外科、内科、循環器科、産婦人科、歯科、眼科など各分野のタイ人専門医が在籍し、英語での対応も可能です。また、外国人向けのサービスとして今後、日本語を含む外国語対応可能な医療通訳を常駐させることも検討中です。MRIやCTスキャン、人工透析などの医療機器も完備しており、24時間態勢で救急救命にも対応します。
住所:Ban Phonsavangtay, Sisattanak District, Vientiane Capital, Lao PDR
電話:+856-21-262-888
オーストラリアン・エンバシー・クリニック:オーストラリア大使館内にあるクリニックで、一般診療や予防接種、健康診断などを行っています。オーストラリア人医師と看護師が常駐し、英語での対応が可能です。予約制であり、受付時間は月曜日から金曜日の午前8時から午後4時までです。
住所:KM4, Thadeua Road, Watnak Village, Sisattanak District, Vientiane Capital, Lao PDR
電話:+856-21-353-840
フランス・メディカルセンター:フランス大使館内にあるクリニックで、一般診療や予防接種、健康診断などを行っています。フランス人医師と看護師が常駐し、フランス語や英語での対応が可能です。予約制であり、受付時間は月曜日から金曜日の午前8時から午後12時までです。
住所:Sethathirath Avenue, Ban Haisok, Chanthabouly District, Vientiane Capital, Lao PDR
電話:+856-21-215-579
4. 貴重品や個人情報の保護:盗難や詐欺に注意
4.1 貴重品の管理と保管
貴重品はしっかりと管理し、ホテルのセーフティボックスなどで保管するよう心がけましょう。特に人ごみや観光地での盗難に注意が必要です。大切な書類や現金は最小限に抑え、写真やバックアップを取っておくと安心です。
ラオスは東南アジアに位置する内陸国で、仏教文化や自然豊かな風景が魅力の国ですが、治安に関しては注意が必要です。ラオスでは、置き引きやひったくり、スリなどの一般犯罪や、反政府勢力の活動や不発弾の危険性などが問題となっています。
ラオスで貴重品を管理と保管するためには、以下のようなポイントがあります。
貴重品の持ち歩きを最小限にする:ラオスでは、現金決済が主流であり、クレジットカードや電子マネーはあまり使えません。(現地の銀行の電子決済は最近広まっている)
そのため、現金を多く持ち歩く必要がありますが、それだけ盗難のリスクも高まります。必要な分だけ持ち歩き、残りはホテルの金庫や貸金庫などに預けるようにしましょう。また、パスポートや航空券などもコピーを持ち歩き、本物は保管するようにしましょう。
貴重品を目立たないようにする:ラオスでは、外国人は裕福であるというイメージがあります。そのため、高価な時計や宝飾品、ブランド品などを身につけると、狙われやすくなります。目立たないようにシンプルな服装や小物を選びましょう。また、カメラやスマートフォンなども人目につかないようにしましょう。
貴重品を身体に密着させる:ラオスでは、バッグやポケットから貴重品をすり取られることがよくあります。そのため、バッグは斜め掛けにして前面に持ち、ポケットはチャック付きのものを選びましょう。また、ボディバッグやマネーベルトなどを使って、貴重品を身体に密着させることも効果的です。
貴重品を分散して保管する:ラオスでは、ホテルの部屋から貴重品が盗まれることもあります。そのため、ホテルの金庫や貸金庫を利用することがおすすめですが、それでも万全ではありません。可能であれば、貴重品を分散して複数の場所に保管することで、被害を最小限に抑えることができます。
4.2 ATMやクレジットカードの利用に注意
ATMやクレジットカードを利用する際には、信頼性のある場所を選びましょう。また、カードの盗難や不正利用に備えて、緊急時の連絡先やカード会社の対応策を事前に確認しておくことが大切です。
ラオスでは、現金決済が主流であり、クレジットカードや電子マネーはあまり使えません。そのため、現地で現金を調達する必要がありますが、その際にはATMやクレジットカードの利用に注意することが重要です。以下に、その理由と注意点を説明します。
ATMの手数料が高い:ラオスでは、ATMを利用すると、ATMを運営する銀行から手数料を請求されます。この手数料は銀行によって異なりますが、一般的には20,000キープから30,000キープ(約250円から375円)程度です。また、クレジットカード会社からも海外ATM利用料として別途請求が来ます。これもクレジットカード会社によって異なりますが、大体200円+税程度です。つまり、ATMを一回利用するだけで500円近くの手数料がかかることになります。そのため、ATMを利用する際は必要最低限の回数に抑えることがおすすめです。
クレジットカードのキャッシングに利息がかかる:ラオスでは、クレジットカードを使ってATMから現金を引き出すことができます。これはキャッシングと呼ばれるサービスで、現金を持ち込まなくても現地通貨を調達できる便利な方法です。しかし、キャッシングは利息が発生します。利息は年率18%程度になりますので、1か月借り続けると結構な利息を請求されます。例えば日本円で20,000円分キャッシングすると、1日約10円の利息が発生するんで、1か月だと大体300円くらい利息で請求される感じですね。これは出来るなら繰上げ返済をしたいところです。クレジットカード会社により繰上げ返済の仕方は異なるので、確認しておくことをおすすめします。
クレジットカードの不正利用や盗難に注意する:ラオスでは、クレジットカードの不正利用や盗難も問題となっています。特にインターネット経由での決済やATMでのキャッシングはリスクが高いです。不正利用や盗難に遭わないためには、以下のような対策を取ることが必要です。
クレジットカード番号や暗証番号などを第三者に知られないようにする。
クレジットカードの利用明細や残高を定期的に確認する。
ATMを利用する際は、カードの挿入口やキーパッドに不審な装置がないか確認する。
クレジットカードを紛失したり盗まれたりした場合は、すぐにカード会社に連絡して利用停止を申請する。
5. 緊急時の対処法:トラブルに備えて
5.1 緊急連絡先のメモ
緊急時に備えて、現地の緊急連絡先をメモしておきましょう。警察や救急などの連絡先を把握し、万が一の際に迅速に対応できるよう準備しておきます。
ラオスで緊急事態に遭遇した場合、以下の連絡先に連絡することができます。
在ラオス日本国大使館
住所:Sisangvone Road, Vientiane, Lao People’s Democratic Republic
電話:021-414400~3
FAX:021-414406
閉館時緊急連絡先 :020-9991-5710
領事窓口時間:9:00~12:00、13:30~16:00(土・日、祝日閉館)
ホームページ:在ラオス日本国大使館
警察機関
緊急警察 電話:1191
チャンタブリー警察 電話:021-212907
シーコタボン警察 電話:021-212712
シサッタナック警察 電話:021-212333
サイセッタ警察 電話:021-412456
ビエンチャン観光警察 電話:021-251128
ルアンパバーン警察本部 電話:071-260278
消防機関
火災発生時 電話:1190
消防署 電話:021-212707
以上の連絡先は、外務省の海外安全ホームページや在ラオス日本国大使館のホームページからも確認できます。また、海外安全ホームページでは、ラオスの危険情報やスポット情報、広域情報なども提供されています。渡航前や渡航中には、常に最新の情報をチェックするようにしましょう。
まとめ
ラオスでの安全な旅行を楽しむためには、現地の治安情報を確認し、下調べをしっかりと行うことが重要です。
観光地や街の安全性を把握し、健康管理や貴重品の保護にも十分な注意を払いましょう。緊急時の対処法を事前に把握しておくことで、安心してラオスを旅行することができます。
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開発途上国で人々の健康を守るISAPH
今回は、開発途上国で人々の命と健康を守ることを使命として活動されているISPAHさんにインタビューさせていただきました。ぜひ最後までご覧ください。 ISAPHの設立経緯を教えてください 福岡県久留米市にある社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院が持つ豊富な国際協力の経験を草の根レベルで実践する機関として、2004年に設立されました。 今年で設立20周年を迎えます。 設立の背景や団体名に込められた意味を教えてください ISAPHは「International Support and Partnership for Health」の略で、より困難な状況に置かれる人々の命と健康を守ることを使命として、開発途上国(主にアジアやアフリカ)における保健医療の向上に努めています。 ラオスでの主な活動内容について教えてください 現在はラオスのカムアン県で「住民主体の女性と子供の健康増進・栄養改善プロジェクト」をカムアン保健局と協力して実施しています。 2020年10月から2024年9月までの期間で、地域の母子保健活動の強化や食用昆虫養殖技術普及による住民の収入向上などに取り組んでいます。 ラオスでの主な医療課題について教えてください ラオスでは母子の健康が大きな課題になっています。 妊産婦の死亡率が126人/10万人(2020年)と高く、産後出血や子癇、敗血症で命を落とす妊産婦が多いと言われています。 さらに5歳未満児の死亡率も28人/1000人(2023年)と決して低くありません。 子どもの具合が悪くなった時に、保護者が子どもを連れて医療機関を受診していないため、予防可能な病気であっても助からないことがあります。医療サービスを利用するのは、ラオスではまだ一般的ではないのが現状です。 その課題を解決するためにどのような活動をしてますか? これらの課題は、住民がラオスの医療施設で保健医療サービスを適切に受けることで予防ができるものがあります。 しかし、農村部の住民にとって保健医療サービスを受療することはまだまだ当たり前ではありません。私たちは、ラオス政府が義務付けている妊産婦健診や施設分娩、予防接種・5歳未満児身体測定・栄養教育等を、適切に実施されるよう支援しています。 また、住民へ保健医療サービスを受診する大切さを伝え、必要なときには、病院・医師・看護師を頼る地域づくりを目指しています。 ISAPHの活動における支援体制について教えてください 当団体は聖マリア病院と同じグループ法人に属していますので、聖マリア病院から人的資源等の協力を得ています。
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