今回は、開発途上国で人々の命と健康を守ることを使命として活動されているISPAHさんにインタビューさせていただきました。
ぜひ最後までご覧ください。
福岡県久留米市にある社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院が持つ豊富な国際協力の経験を草の根レベルで実践する機関として、2004年に設立されました。
今年で設立20周年を迎えます。
ISAPHは「International Support and Partnership for Health」の略で、より困難な状況に置かれる人々の命と健康を守ることを使命として、開発途上国(主にアジアやアフリカ)における保健医療の向上に努めています。
現在はラオスのカムアン県で「住民主体の女性と子供の健康増進・栄養改善プロジェクト」をカムアン保健局と協力して実施しています。
2020年10月から2024年9月までの期間で、地域の母子保健活動の強化や食用昆虫養殖技術普及による住民の収入向上などに取り組んでいます。
ラオスでは母子の健康が大きな課題になっています。
妊産婦の死亡率が126人/10万人(2020年)と高く、産後出血や子癇、敗血症で命を落とす妊産婦が多いと言われています。
さらに5歳未満児の死亡率も28人/1000人(2023年)と決して低くありません。
子どもの具合が悪くなった時に、保護者が子どもを連れて医療機関を受診していないため、予防可能な病気であっても助からないことがあります。
医療サービスを利用するのは、ラオスではまだ一般的ではないのが現状です。
これらの課題は、住民がラオスの医療施設で保健医療サービスを適切に受けることで予防ができるものがあります。
しかし、農村部の住民にとって保健医療サービスを受療することはまだまだ当たり前ではありません。
私たちは、ラオス政府が義務付けている妊産婦健診や施設分娩、予防接種・5歳未満児身体測定・栄養教育等を、適切に実施されるよう支援しています。
また、住民へ保健医療サービスを受診する大切さを伝え、必要なときには、病院・医師・看護師を頼る地域づくりを目指しています。
当団体は聖マリア病院と同じグループ法人に属していますので、聖マリア病院から人的資源等の協力を得ています。
活動費に関しては官民の助成金を申請し支援をいただいています。
昨年は独立行政法人国際協力機構より「ラオス国農村部住民の食糧事情向上を目指した昆虫養殖技術普及事業」を受託し活動していました。
本年度は公益財団法人生協総合研究所のアジア生協協力基金から活動費の支援をいただいています。
また、ISAPHをご支援いただいている多くの方からのご寄付によって、活動を支えていただいています。
私たちのプロジェクトは、住民が自分・家族の健康に興味を持ち健康でありたいと思えるようになることで、
プロジェクト後にISAPHがいなくとも、自ら保健医療サービスを受けるようになったり、
不足しがちな栄養素の摂取に気をつけるような食習慣を送ったりすることで持続性が担保できるよう目指しています。
石塚さん:ラオスの人たちに私たちの活動がマッチしていたと思えた瞬間がとても嬉しく思います。
ラオス国内において海外からの支援が根付いていない事例は度々見受けられます。
私たちの活動は事前調査・意見交換等をしっかりした上でプロジェクト実施をしています。
とはいえ、日々の活動のなかでは本当に彼らの生活に寄り添えているのか不安になる気持ちも抱えています。
食用昆虫養殖技術普及事業では、トレーニング後も住民自身が支援なしで継続していたことがあり、そのときは大変嬉しく感じた出来事でした。
三浦さん:5月に来たばかりで、まだ活動に携わって日が浅いですが、子供の体重が増えたり健康意識が高まったり、活動が現地の人々に根付いていくことがやりがいになると思います。
石塚さん:ラオス人の生活スタイル・文化を尊重することが大切だと思います。
一見時間にゆとりを持って生活をしているように見えても、朝早く起きて食事・洗濯などの家事や宗教的習慣など多忙な側面があります。
家事においては日本と違い洗濯機やコンロなどまだまだ普及していません。
その文化の違いを理解し、ラオスのひとたちと信頼関係を築くことが重要と考えています。
三浦さん:相手の価値観や常識は自分と同じではないので、それを理解する姿勢が大切だと思います。ラオス人に寄り添って、自分についても見つめ直してみるといいかもしれません。
石塚さん:ラオスの人々の優しい人柄が好きです。
仏教信仰の影響なのか、家族が多いからなのか、食べるものにあまり困らないからなのか、定かではありませんが気持ちに余裕があるひとが多いように思えます。
仕事で切羽詰まる日々と送っていると、彼らから逆に励まされる瞬間もあります。
三浦さん:自然が多くて太陽を身近に感じられること、高い建物が少なくて夕陽が綺麗なこと、食べ物が美味しいことなどラオスが好きなところはたくさんあります。
人々の面倒見が良く、家族のように優しさにあふれているのも魅力的ですね。物事をあるがままに受け止める寛容さも、ラオスの良さだと感じています。
石塚さん:ラオスにぜひ一度訪れてみてください!
ラオスは貧しい国ではありますが、彼らは日頃から笑顔であふれている人が多いです。
日本で仕事に疲れた方は、ラオスの人々から元気をもらえると思いますよ。
三浦さん:ラオスは開発途上国で貧しいイメージがありますが、実は幸福度が高い国なんです。
現地の人々の幸せな様子を見れば、『幸せとは何か』を考えさせられると思いますよ。
可哀想だと思うかもしれませんが、現地の人は笑顔なんです。
その優しさや幸せを感じられる国だと思います。
取材日 2024年 6月4日(火)
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