想いやりで世界を繋ぐ/STORY

今回はラオスの方が作る商品に『STORY』を載せて販売することで、布を織る人、商品を作る人、商品を使う人が繋がるプラットフォームを作ることを目標に活動している『STORY』さんにお話を聞かせていただきました。
ぜひ最後までご覧ください!!

Q1. 設立背景とビジョンについて教えてください

A1. 私たち「STORY」は、大学生の頃にラオスの伝統的な手絵り布やものづくりに出会ったことがきっかけで誕生しました。

当初はボランティアとしてラオスの布を一度だけ付き収れ、日本のイベントなどで販売する活動を行ったのですが、そこで痛感したのが「一度きりの支援は長続きしない」ということです。実際に生産者さんが廃業してしまうという悲しい出来事もあり、「やはり続続的な仕組みが必要だ」と強く感じました。

そこで、ビジネスモデルとして生産者と買い手をつなぐオンラインプラットフォームを立ち上げようと決意したのです。
団体名「STORY」には、作り手(生産者・クリエイター)と買い手(消費者)だけではなく、私たち自身の物語も含め、すべてを繋げたいという想いが込められています。

ラオス独自の伝統と文化を大切に守りながら、現地の生活や産業をしっかりと支えていく――そこが私たちのビジョンです。

Q2. 主な活動内容について教えてください

A2.

  1. オンラインプラットフォームの構築
    ラオスの生産者さんが織った布や、クリエイターさんが制作したハンドメイド作品を、消費者の方々が気軽に手に取れる場所を目指しています。

    ここでは「商品を並べる」だけではなく、「誰が、どんな想いで作っているか」を共有することを重視しています。ラオスの布が生まれるまでに、どんな苦労や伝統技術が詰まっているのかを知ってもらうことで、「この布を応援したい」「もっと大事に使いたい」という気持ちに繋がるはずだと考えています。

  2. クラウドファンディングの実施
    ウェブサイトやプラットフォーム構築のための費用を課題として、クラウドファンディングを行っています。

    リターン商品はラオスの生産者さんから付き収れた布や、クリエイターさんが製作したハンドメイド作品です。単なる実貯ではなく、「欲しい」「使いたい」と思ってもらえる商品を通じて支援が拡大すれば、生産者・クリエイター・消費者を結びつけるプラットフォームづくりが一歩進むと期待しています。

Q3. 現地での課題と取り組みについて教えてください

A3.
ラオスの地方では、交通や流通のインフラが未整備な地域が多く、どんなに優れた技術で織られた布でも、販路が非常に限られてしまうのが現状です。

さらに、すべて手作業で植物染料を使うなど、生産者の負担が大きいにもかかわらず、安価では採算が取れません。こうした理由から、伝統技術そのものが途絶えてしまうリスクがあるのです。
 私たちは青年海外協力隊(JICA)など、現地で活動する日本人スタッフの方々とも連携しながら、直接生産者さんを訪問し、彼らの声を聞くようにしています。

また、クリエイターの視点も取り入れ、「どうすれば適正な価格で流通し、かつ消費者にその価値を理解してもらえるのか」を一緒に探っているところです。



**「高級品だから買ってください」ではなく、「こういうプロセスや想いが詰まっているからこそ、この価値があるんです」**と伝えていくことこそが、私たち「STORY」の大きな役割だと思っています。

Q5. 今後の活動について教えてください

A5.
最優先の目標は、オンラインプラットフォームの本格稼働と、生産者さんとの継続的な取引体制を実現することです。つまり、布や作品を一度売って終わりではなく、**「作り手→クリエイター→消費者」**という流れを途切れさせない仕組みを作り、これを長く続けることが理想です。 今後は布だけにとどまらず、場合によっては糸や染料など、ラオスの他の特産品にも広げていく可能性があります。

さらには、この活動に興味を持ってくれた人が誰でも参加できるようなコミュニティとして、長期的に育てていきたいと思っています。ラオスの手仕事や文化を、一緒に守り・広げていきたいという人が気軽にジョインできる場を作るのが最終的な理想ですね。

Q6. STORYさんのこの仕事のやりがいはなんですか

A6.

(藤島さん) 大きいのは、ラオスの生産者さんを継続的に支えられる仕組みを、同じ想いをもつ「仲間」と一緒に作れるところですね。

ボランティアは決して悪いわけではありませんが、どうしても一時的になってしまいがちです。
ビジネスモデルとして活動していけば、「ラオスの布が好き」という気持ちが実際に“買う”や“発注を続ける”という行動に結びつき、長く生産者の方々を支えられるのが面白いと感じています。

同じ想いを共有できる仲間と一緒に、この仕組みを育てていけるのが最大のやりがいですね。

(服部さん) 私が一番やりがいを感じるのは、「人」と「人」が結びついて新しいものが生まれる瞬間を目の当たりにできることです。


ラオスの生産者さんや日本のクリエイターさんなど、普段は交わることのない人たちが、この布や作品を通じてつながるとき、まるで新しい“仲間”が増えていくような感覚があるんです。

いろんな文化・価値観が交わることで、何か新たなものが生まれる瞬間を見られるのは、とても魅力的だと思います。

(本田さん) 私にとってのやりがいは、ほんの小さなきっかけがラオスと日本の双方に新たな可能性をもたらすという点です。


私たちの活動を見て「ラオスって面白い」と興味を持った人が実際に現地を訪れたり、逆に生産者さんが「日本の仲間ともっとコラボしてみたい」と思ったり……そうした相互の変化が積み重なると、ラオスの伝統技術の継承や新たなビジネスの展開など、色々な広がりが生まれる。考えるだけでワクワクしますよね。

Q7. 事業を考える方へのアドバイスをお願いします

A7.
私たちもまだまだ手探りの状態ですが、まずは**「人を頼ること」**が大切だと思います。

ラオスは世界的にはマイナーな情報が多い分、逆に横のつながりが強く、JICAや青年海外協力隊、あるいはNGO関係者の方々などに相談すると、あっという間にいろいろなキーパーソンを紹介してもらえたりします。


一人で完結しようとするのではなく、「分からないからこそネットワークを広げよう」という姿勢が、ラオスで事業を始める際には特に重要かなと感じています。

また、“ストーリー”も大事にしてほしいですね。物の背景や作り手の想いを共有すると、買い手や支援者はぐっと愛着を持ってくれます。そうした深い部分を丁寧に伝えていくことが、人を惹きつけ、事業を支える原動力になるはずです。

Q8. ラオスは好きですか

A8.

(藤島さん) 大好きです。特にラオスの人々のあたたかさには何度も助けられています。

道に迷っていれば声をかけてもらえるし、知らない土地で一人でも、親切な人が多いから安心感があるんです。日本ではなかなか見られないほどのおせっかいとも言える優しさがあるので、忙しい日常を忘れさせてくれる感じですね。


(服部さん) 私はラオスの手仕事や伝統技術が大好きです。植物染料を使ったり、一枚の布を織るのにものすごく時間や手間がかかったり……そのこだわりが形になっているのを見ると感動します。

村ごとに模様や色合いも違って、まだまだ奥が深い世界だなと思うんです。


(本田さん) 私にとっては「ラオスにいる人たち」が好き、という感じです。まだ1度しかラオスに行ったことがないですが、生産者さんもクリエイターさんも、本当に温かくて、私たちを“仲間”として受け入れてくれるんですね。

「こっちにはこんな風習があるよ」「日本はどんなところ?」みたいな雑談から、生まれる発見もたくさんあります。文化の違いを楽しみ合えるのがラオスのいいところだと思います。

Q9. この記事を見てくれた方へのメッセージ

・団体名:
STORY

・活動内容:
日頃手元にある商品はどんな想いがのせられて今ここにあるのか。そんなことに想いを馳せていると、ぽかぽかと胸が温かくなり、愛着あるモノと生活を共にすることができる。そんな「story」を中心に連鎖する「想い」を、布を織る人、商品を作る人、商品を使う人が繋がるプラットフォームをつくることで実現します。

・SNS
Instagram:こちら
WEBサイト:こちら
クラウドファンディング:2025年1月12日まで

取材日:2024年12月28日